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先日、物理専攻の大学院生という人と雑談する機会があった。
とりとめのない話からいつしかエントロピーなるものの話へ。
物理の問題以外でエントロピーのことを考えたことがないと言う。
物理の学生たるものの教養として、それではマズいかも。という話になった。

エントロピーとは、科学的に定義されたある量でエネルギーと深い関わりがある。
およそ何かが起こると、エントロピーは増大するか、せいぜい変わらないことになっている。エントロピーは全体としては決して減ることはない。これだけ聞くと知らない人は「なんのこっちゃ?」と思う。

だが実は、このエントロピー、普段意識している人はほとんど居ないだろうが、実に身近な量で、生きている限りその渦中にあるといっていい。知らないうちに生活についてまわっている。

たとえば、部屋に熱湯の入ったコップがあるとする。これはエントロピーが比較的低い状態。放っとくと熱が拡散して、冷める。ほんの僅か周囲の空気が暖まる。やがて、同じ温度になる。
このときエントロピーは増えている。
逆に、氷(エントロピーが低い)が融けて周囲と同じ温度になったときにもエントロピーは増える。

室温と同じ温度の水が、気温がほぼ一定なのにひとりでに沸騰したり、凍ったりしないから、エントロピーが減ることはない。

ガソリンはエントロピーが比較的低い物質。これを燃やして自動車を走らせると、最終的に周囲に熱と排気ガスが拡散してエントロピーの高い状態になる。排気ガスと気温からひとりでにガソリンが生成することない。

ちょっと乱暴にいえば、部屋が片付いているのはエントロピーが低い状態。いちど散らかってエントロピーの高い状態になると、ひとりでに元の状態に戻ることない。

順番に並んだトランプのセットをきると、バラバラになる。きり続けても全てのカードが順番に並ぶことはまずない。バラバラの順番の方がエントロピーの高い状態といえないこともない。(この例はちょっと微妙)

何らかの整理された構造が壊れる時にもエントロピーは増大する。逆に構造があるということは幾分なりともエントロピーが低いということだ。
要するに、覆水盆にかえらず、とはエントロピーは減少しないということでもある。

初めの状態と終わりの状態で全エネルギー量(熱量)は変わらない。これはエネルギー保存則として確かめられている。

じゃあ、何が違うかといえば、エントロピーの低い状態からはエネルギーを取り出して人間が使うことが出来る。そして使ってしまうとエントロピーの高い状態になってしまって、それ以上はどうしようもなくなる。拡散しきったエネルギーに仕事をさせることは難しい。

エントロピーが増大していく過程でエネルギーの流れが起きる。その流れの中で、時たまひとりでに何らかの構造=エントロピーの低い状態が出来ることがある。水の流れの中に、渦や泡といった構造が生まれることを想うと分りやすい。

「行く川の流れは 絶えずして しかも元の流れにあらず澱みに浮かぶ うたかたは かつ消え かつ結びて 久しく留まりたるためしなし世の中の 人と住家も またかくのごとし」とは「方丈記」の一説であるが、泡沫(うたかた)も人間も、エネルギーの流れの中に浮かんだ低エントロピーのひっかかりなのである。

生きている人間や他の生物は、周囲の環境よりエントロピーが低い。
何のケアもせずに閉じ込めておけば構造を失い、やがて土に還る。エントロピーは増大する。生きているという「低いエントロピー状態」を維持するためには、最低でも飯を喰わねばならない。この食物はガソリン同様、エントロピーが低い。人間はエントロピーが低いものを食べて消費して、活動して、最終的に環境に熱や排泄物を排出する。全体としてはエントロピーは増大するが、一部は人間の低いエントロピー状態を維持するのに使われる。

混沌とした状況から情報を得て、頭を整理して高度な思考パターンを形成する。人間の脳も情報的に見れば、低エントロピーの状態である。知的活動をする限り、何らかの形で低いエントロピー状態のエネルギーを取り込むことは必須となる。いくら寝てても脳が活動する限り腹は減る。

人間は、低いエントロピー状態であるから、それを使って散乱した本などを片付けることができる。本と本棚のエントロピーは下がるが、人間は体内のエントロピーの低い物質(栄養)を失い、最終的に環境に熱や排泄物を排出するからトータルではエントロピーは増大する。労働したらお腹が減る(食い物が食べたい=低エントロピーのものを取り入れたい)のは道理である。

同様に冷蔵庫で氷をつくれば、環境よりエントロピーの低い状態である氷を作るかわりに、燃料を消費してそれを上回るエントロピーを増大させている。

じゃあ、低エントロピーの源である食物や化石燃料はどこから低いエントロピーを蓄えたのか?
言うまでもなく太陽である。植物は、太陽光線から低エントロピーのエネルギーを取り出し、一部を成長に使い、一部を熱や赤外線で排出する。

太陽は宇宙空間より高温で、盛んに周囲に熱や光を拡散している。部屋のなかに置かれた熱湯入りのコップ同様、低エントロピーの源であり、時間とともにどんどんエントロピーを増大させつつある。

地球は太陽から低エントロピーである太陽光線を取り込み、夜の側からエントロピーが増大した赤外線などを宇宙に拡散している。最終的には、太陽から宇宙空間にエネルギーが拡散していくとこでトータルでは低エントロピーが失われる=エントロピーは増大する。

この、とめどなく続くエントロピーの増大過程のなかで、生命は、ちょっとだけ低いエントロピーを体内にとどめおくことで、体を構築し、さまざまな生命活動をする。時に、外部にも低いエントロピーをとどめおき、住処や文明などを作る。かりそめの間。

しかし、エントロピーは容赦なく増大を続ける。いつか低エントロピー状態のエネルギーがなくなれば、もはや生命、文明などを留めおく方法はない。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。 驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。 猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」(平家物語)とは良く言ったものである。

かくのごとくエントロピーは日々の暮らしの中に知らず知らずうちに関与しているのである。
エントロピーという視点で見ると、人も澱みに浮かぶ泡沫に近いものがある。

なんてね。柄にもないことを書くと照れる(^^;
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そのエントロピーの増大過程の中で、かりそめの間、出現する構造をもった生命や渦などの自然現象=自己組織系。この自己組織がどのような時に起きるかを扱う学問分野もあると言う。でも、それはまた別の機会に。
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ウルトラマンダイナ「ユメノカタマリ」で、ゴミがひとりでに集まって怪獣になる話があります。
それを見たナカジマ隊員が「ああ.だからそんな現象ってのは不自然といえは不自然なんだが,非線形非平衡開放系では全くあり得ないとは言えないわけで...」と言ったのはそのことです。

ちゃんちゃん。
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2007.05.26 地球へ
ウルトラマンがない今日この頃、
「地球へ」の土曜日の本放送を前に、貯まっていた録画をみた。
教育ステーション篇だけど、悪くない。

空気感、台詞の背後にある心の動きを控えめに丁寧に書いている印象。
見入ってしまう。

ただ、キースの作画が....もうちょっと目の辺りの表情を強くかけないものか?
クールな雰囲気を出そうとしているのだろうが、ときどき絵から図になっているような...
目が細いので、只でさえシロエに喰われそう。

でも、それ以外は基本的にはよしとしたい。
「ウルトラセブン」でソガ隊員として活躍された元俳優の阿知波信介さん(本名阿知波信雄)が亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈りします。

そして、「ウルトラセブン」をありがとう。

新聞記事はこちら
2007.05.05 HP3周年
2004年5/1に立ち上げた私のサイト「Club TPC ティガ&ダイナ」が3周年を迎えました。
とはいえここ暫くは更新はサボり気味でメンテナンスモードになってしまっていますが....
すいません。何か更新ネタを考えないといけませんよね。^^;

GUTS-ウィングについて記事書くという宿題もあるし。(前に記事の中で書くと宣言した気がする。)

あまり更新が無いせいで、「ウルトラマンティガ」を検索してもGoogleとYahooとも1ページから転落し2ページ目になってしまいました。
ああ昔日の栄光今何処。儚い夢でした。(苦笑

それでも、毎日10前後のアクセスを頂き、この3年で9万5千アクセス。
訪問いただいている皆様には、感謝しております。
どうもありがとうございます。
そして、いつまで存在するかわかりませんが、これからもよろしくお願いします。
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