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ウルトラマンダイナ

◆ 第46話「君を想う力」

脚本/右田昌万,特技監督/原田昌樹,監督/原田昌樹.
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満足度: ★★★★+

鑑賞メモ

 この話、現役の小さなお友達でももちろん楽しめると思いますが、多くの充分に大きなお友達にグッとくるんじゃないでしょうか?見終わった後でとても優しい気持ちになれる1本.そして、非常に繊細で配慮の行き届いた丁寧に作られたドラマでした.

 もう戻ることは出来ない大切な子供時代.思い出の詰まった空間. いや、別に、あんな甘酸っぱい体験を誰もが実際にしている筈だとか言うつもりはないんです.ただ、子供の時代って大人とは世界を見る目が違うじゃないですか.

 素直に躊躇もなく将来について夢を描くこともできるし...大人になってしまうと子供の目線そのままで生きていくってことはなかなか出来なくて.もちろん、それはそれで一種の「進歩」ではあるのだけれど、大人になってから「子供の時間」の持っていた意味を改めて振り返ると何だか切なくて愛おしい気持ちになる.上手く言えないけど、そんなことを思わせるエピソードでした.

 また、脚本家の右田昌万さん自身がヒラオ役で出演することで独特の朴訥とした雰囲気がでていて良かったと思います.ヒラオと子供たちの間で台詞もユーモラスかつ素敵だったと思います.そして、この話のテーマ曲とも言える「Be My Sweetheart」!優しく繊細で素晴らしい音楽でした.天文台周辺のロケーションもgood.子役の皆さんもいい味出していました.

 キャラクター、脚本、役者,演出、音楽、それぞれの味がうまく高め合っていたと思います.

あらすじ

主人公:ユミムラ・リョウ、ヒラオ・テルヒサ

 謎の隕石が落下した日から、人々に怪獣の幻覚を見せる黒い花が長野県松本市付近で咲くようになった.人々の恐怖を糧とする宇宙植物らしい.一方、リョウ隊員の幼なじみのヒラオ・テルヒサは小川村の天文台に勤務していたが、彼は少女の幻影を見せる白い花を発見してた.人々に恐怖をみせる黒い花.人々の大切な思い出を見せる白い花.リョウは調査のため小川村を目指す.

今回の印象に残った台詞

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子供1「先生、何しているの?」
ヒラオ「新しい星、超新星を探しているんだ.」
子供2「見つかった?」
子供3「見つかるわけないじゃん.新しい星があったとしてもTPCがとっくに見つけているよ.」
子供1「そうだよ.」
ヒラオ「まあ.設備じゃTPCに負けているが、先生、情熱じゃ負けないからな.」
子供1、2,3声を揃えて「じょーねつだってさ.」
ヒラオ「今に超新星をこの目で.」
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リョウ「妄想よ!も・う・そ・う!あんたいつまでも一人で暮らしているから変な妄想を見たのよ.ヒラオにそんな少女趣味があったなんて、も~っ不潔!星ばっかり見てないで、少しは現実の女性に目を向けたら!そんなことぐらいでわざわざS-GUTSにかけてこないでよ!」
ヒラオ「そ、それでさ、こんな変わった花みつけたんだ.」
リョウ「そんな花、とっくにS-GUTSも回収して解析している真っ最中よ!」
ヒラオ「小川村に一個しかないTV電話でかけているんだけど、取り越し苦労だったわけだ.」
リョウ「そういうこと!じゃね.」
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リョウ「んとにもおっ.何なのよ、あいつ.」
アスカ「いや、あの恋人の電話盗み聞きしたみたいなんで悪いんだけど...」
リョウ「幼なじみ!た、だ、の、お、さ、な、な、じ、みっ!」
アスカ「うん、うん.で、見てた花、白かったよな?」
リョウ「え?」
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リョウ「あのねえ、みんな気色の悪いエイリアンやモンスターを目撃しているのに、どうしてヒラオだけかわいい女子な訳?」
ヒラオ「かわいかったかどうかは...」
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ヒラオ「ちゃんと食べます.もう残しません.」
リョウ「あんた、あれが何に見えてんの?」
ヒラオ「?ニンジン様だろ?」
モンスター「に~んじ~ん.」
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リョウ子供時代「あ、一番星!きれい.」
ヒラオ子供時代「あのさ、新しい星を一番始めに発見した人はその星に自分の大好きな名前がつけられるんだって.」
リョウ子供時代「じゃあ、もしヒラオが見つけたら何て名前にするの?」
ヒラオ子供時代「....ユミムラ.」
リョウ子供時代「えっ.」
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子供1「先生、また無駄な努力しているの?」
子供2「新しい星、見つかった?」
ヒラオ「そのうちな.」
子供3「今、何見てたの?」
ヒラオ「今? 今見ていたのは...愛だ!」
子供1、2,3声を揃えて「愛だってさあ.」
子供1小声で「この前の人にふられたのかなあ?」
子供3「奇麗な人だったけどねえ.」
子供2「うん...」

重箱の隅

白と黒

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ナカジマ「ん~.黒い花と白い花、構造は同じなんだけど、どう違うんだろうか?たとえば、あの、黒の突然変異体が白になんのか?」
リョウ「逆よ.白の変異体が黒.始めは全部白い花だった.」
ナカジマ「何の根拠があんの?」
リョウ「その方がいいじゃない.」
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 私もその方がいいと思います.人は生きて来た時間が長くなるにつれ、「黒い花」に出会ったり染まったりする機会が増えていくんでしょうけど、始めは全部「白い花」だったと思いたい.いや、現実には完全に無垢な子供なんているわけはなくて、両方の要素をもって生まれてくるんでしょうし、守られているとはいえ子供の小さな心で体験する世界はそれなりに大変なんだとは思います.でも、子供の目線から世界を見た時の「白い花」の体験は、たとえ一輪でもどこか心の片隅に残っていて、心が「黒い花」に埋め尽くされて立ちすくんだとき「前に進む力」とか「君を想う力」の源になって人を支えてくれる...そんな風に思うことは出来ないでしょうか?

....って、学生の読書感想文みたいですね.失礼しました.m(_ _)m.
誰か「愛だってさ」ってな感じで突っ込んでやってください.

戦う女、リョウ

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リョウ「ダイナ.きっと貴方を守ってあげる.」
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リョウ子供時代「ケンタっ!」
ケンタ子供時代「うああ!ユミムラ!!!」
リョウ子供時代「このっ!」パンチ一閃!バコっ!
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ヒラオの頬にキスをしたあと、驚いているヒラオに、
リョウ子供時代「何見てんのよっ」
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ヒラオ「一生に一度のお願いが同窓会のホームページ作りか.なめんなよ、あのオトコオンナ!」
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 正義感が強くて、優しくて、誰かを守るために自らの拳で戦う女、というダイナを通じて描かれてきたリョウのルーツが描かれていましたね.そして、彼女が多少ガサツなのは一種のテレみたいですね.

 一生に一度のお願いと称してヒラオに同窓会のホームページをつくるように頼むリョウ.でも、本当はヒラオに女の子の正体を思い出して欲しかったんでしょうね.直接言わないことが、やっぱり、照れ屋?

Star seeker, ヒラオ

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ヒラオ「俺が見つけるのを待っている星があるんだ.」
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リョウ「あの約束は果たしてよね.」
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 この話は、ヒラオのあの素朴で暖かいキャラクターがあって初めて成立するエピソードでしたね.そして、ヒラオは劇中で何故かいつも何かを探し続けている男としても描かれています.子供の頃はカブトムシだった時期もあるようですが、ある時期からStar Seekerを志すようになります.彼が探しているのは文字通りのStar=超新星ですが、同時に「星」は簡単には手が届かない「憧れ」や「追い求める目標」の象徴でもあるんでしょうね.

 その彼の地道な研究を気持ちの上で支えているのは何でしょうか? それは、もちろん彼自身の持つ純粋な「追い求める心」が一番なのかもしれません.ですが、そればかりだけでなく、子供のときにリョウが示してくれた共感と理解だったり、探すものがカブトムシであれ何であれ挫折しても「また探せばいい.きっと見つかる.」という励ましも力になっているように思えてなりません.そして、そういう「力」をくれたリョウにヒラオは「憧れ」てもいたんだろうと思います.だから、新しい星を見つけて「ユミムラ」と名付ける約束が今でも意味をもっているんじゃないでしょうか? たとえ恋愛抜きでも充分に、リョウからヒラオ、そしてヒラオからリョウへの「君を想う力」なんですよ.きっと.(恋愛に発展したらしたで、それもまた素敵なことだとは思いますけどね.)

 あ、また歯が浮いて来た.この辺にしておきます.

星の命名権

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ヒラオ子供時代「あのさ、新しい星を一番始めに発見した人はその星に自分の大好きな名前がつけられるんだって.」
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 えーと、ダイナの世界とは違って、我々の世界では超新星やその他の恒星には発見者が正式な名前をつけることは出来ません.普通の恒星の名前は所属する星座ごとに明るい方から順番にギリシア文字が割り振られるか、星座の西側から順に番号が付けられることになるっているのだそうです.後は、ごく例外的に、昔からの呼び名決まっているもの(ベガ、アルタイル、デネブ"など)があるだけだそうです.後から見つかる超新星の名前は、その天体に気付いた画像や写真が撮影された年を元につけられます.(たとえば、「SN 2004B」など)それ以外の星の場合、彗星には発見者自身の名前が、小惑星は発見者の好きな名前がつけられることになっているとのこと.(小天体命名委員会に申請して認められることが必要)一番好きな名前を星の名前として残したい人は小惑星を見つけましょう.(TotoroとかTakoyakiなんて名前の小惑星もあるみたいですよ.)

 ちなみに我々の世界には、恒星の命名権を販売している会社がありますが、それはその会社が勝手にやっていることで天文学上は全く意味を持ちません.著作権で保護される筈だとか言っている会社もあるようですが、何れにしても正式名称にはならないし、誰もそんな名前を使わないと思います.まあ、ひとときの夢を買うってことでしょうね.

 ところで我々の世界の日本でも、大きな天文台でなくても超新星を発見した人たちはいます.しかも、最近のことです.為せばなるということですね.詳しい例はこちら

超新星

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ヒラオ「新しい星、超新星を探しているんだ.」
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 新しく明るく輝き出す星ってことで、大昔に「超新星」(Superonva)って名付けられたそうです.だけど、皆さんご存知のように実際には恒星が一生を終える時の最後の大爆発がその正体.だから、厳密には新しい星ではないんですよね.だけど、この超新星の存在は我々にとってとっても大事らしいです.というのも、地球上の水素やヘリウム以外の重い元素は、全て大昔に恒星の内部で生成されて超新星爆発で宇宙にばらまかれたものだし、ある種の重い元素に至っては超新星爆発時にできたのだそうです.つまり、超新星がなかったら我々はこの体を持ち得なかったということになります.だから、人間の体って「星のかけら」で出来ているとも言えるんですね.(参考サイトはこちらこちらこちら

素粒子?

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ナカジマ「回答では宇宙植物は投影物に対して独自の素粒子も放出しているとあります.」
カリヤ「それがどうかしたのか?」
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 それが、どうしたって...この期に及んで「独自の素粒子」なんてものが存在するだけで、素粒子物理学、ひいては宇宙観の根底を揺るがす大発見だと思います.少なくとも我々の世界では、素粒子は、いくらでもバリエーションが存在する化合物とはわけが違って種類は限定されていないと困るらしいです.だから、「独自の素粒子」とか言うのは超大発見.でも、素粒子は私には難しすぎてよく判らないのでこちらを参考にして下さい.アシカラズ.m(_ _)m

おすすめページ

右田昌万さん私設ファンページ/今見ていたのは・・・愛だっ!
(右田さんのファンページで、ロケ地訪問記や右田さんの本人の書かれた記事があります.)

ウルトラマンダイナ『君を想う力』
「矢野立美 音楽への旅立ち」の一コーナー.本エピソードだけで3ページの記事があります.「君を想う力」の魅力が伝わってくるページです.)



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