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ウルトラマンダイナ

◆ 第49話「最終章I 新たなる影」 第50話「最終章II 太陽系消滅」 第51話「最終章III 明日へ・・」
/ダイナスペシャル「最終章 明日へ・・」


脚本/長谷川圭一,特技監督/大岡新一,監督/小中和哉.
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鑑賞メモ&あらすじ&今回の印象に残った台詞

 ティガの最終章が祈りや願いに満ちた光を描いているとしたら,ダイナの最終章は意思や情熱に満ちた光を描いているように感じました.

 なお,この話はDVDでは13巻にあたりますが,同じ内容を一本の映画のように編集し直したウルトラマンダイナスペシャル(後半)があります.個人的には後者の方がおすすめです.理由は一気に途切れることなく見られることと,エンディングが「君だけを守りたい」で,余韻に浸れることです.おまけ映像もあるしね.


  今回は再び,アスカ・シンと父カズマの関係が語られます.そして,それはネオフロンティアスピリッツへと展開し,それに重ねて,前進する人の意志が描かれていきます.

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シン(子供時代)「無理だ.あんな遠い木まで届くわけないよ.」
カズマ「必ず届く.大切なのはそう信じられる強さだ.」
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 父カズマが消息を絶つ前にアスカに伝えたこと.あの父の姿があっからこそ,父亡き後,どちらかというとひ弱だったアスカはがむしゃらに前に突き進む男になったわけですね.実に切ない話ですよね.もともとの地のアスカは少年時代の方なんでしょうね.そして,このエピソードでアスカは,父から受け継いだ姿勢を完全に自分のものにしていきます.

 そして,前半のヤマ場.人造ウルトラマン/テラノイドにエネルギーを吹き込むためにゴンドウ参謀に囚われたアスカ,リョウと参謀,ブラックバスター隊隊長サエキ・レイカの会話シーンです.地球を守るために必死になり焦りを募らせるゴンドウ参謀の想い,これ以上,大切な人を失なわないためなら何でもすると想い定めるサエキ隊長.アスカがダイナであることを受け入れた上で,さらにともに死力を尽くして戦おうとするリョウ.その姿に,誇りを呼び覚まされるゴンドウ.ダイナ屈指の名シーンだと思います.

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ゴンドウ参謀「なぜお前なんだ.なぜお前がウルトラマンなんだ.お前のような未熟者が,品位のかけらもない粗暴な男がなぜダイナなのかと訊いているんだ!」
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リョウ「アスカが,アスカがいったい何をしたって言うの」
ゴンドウ参謀「そいつは不適格者だ.そんな奴が今までダイナの力を使っていたかと思うとゾッとする.」
リョウ「よくもそんな勝手なことを...」
サエキ隊長「お前は怖くないのか?」
リョウ「怖い?」
サエキ隊長「理解を超えた存在だ.恐れて当然だろう.」
リョウ「怖い?かけがえのない大切な仲間が怖い訳ないでしょう.」
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そこへスフィファ来襲.はじめのうちは優勢だったテラノイドもスフィアの物量の前に敗れ去り,逆に合成獣ゼルガノイドに変えられてしまいます.
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ゴンドウ参謀「奴を通常兵器で倒すのは不可能だ.ウルトラマンの力でしか対抗できん.だが,ダイナはもういない.人類は何もかも失った.」
リョウ「失ったのは,参謀,あなたの人間としての誇りよ.私は最後まであきらめない.アスカにそう教わったから.」アスカ「俺もまだ,あきらめちゃいないぜ.あの化け物は俺が倒す.」
ゴンドウ参謀「無理だ.お前にはもうダイナになる能力はない.」
アスカ「そんなことはやってみなくちゃわからねえ.」
リョウ「アスカは逃げて.あたしが奴を食い止める」
アスカ「さっきリョウが言ってたじゃないか.俺はどんなときも諦めないし,逃げもしない.」
アスカ,死力を振り絞り走り出す.
リョウ「アスカーっ」
アスカ「うおおおおおお.」
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 アスカ,ダイナに変身.「逃げない」は,アスカの常套句(たとえば,18話「闇を呼ぶ少女たち」など)で,周囲の人に感動と勇気を与えてきましたが,何よりもまずアスカが自らの力を奮い立たせるための言葉.きっと,父亡き後,アスカはくじけそうになる度に自分に言い聞かせるように繰り返してきた言葉なのではないでしょうか?

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ゴンドウ参謀「絶対にあり得ん.奴にはもうエネルギーは残っていなかったはず.」
リョウ「関係ない.アスカにはそんなこと関係ない.」
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しかし,エネルギー不足で苦戦するダイナ.
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ゴンドウ参謀「照射準備はできた.だが,こんな作戦が成功するはずはない.それでもお前は...」
リョウ「あたしにはアスカのような特別な力はない.でも,人の未来を思う気持ちは負けてないつもりよ.」
ゴンドウ参謀「それが光か.」
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 ゴンドウ参謀は意を決し,リョウの代わりに照射装置に入り自らの生体エネルギーをダイナに照射する. 他人を見下したり情緒的にアンバランスなところのあるゴンドウ参謀ですが,最後は武人として決着を付けます.今まで憎まれ役が多かったのですが,彼にも熱い想いがあったことが示され,これで彼のことを見直した人も多かったのではないでしょうか?
 ゴンドウ参謀の命と引き換えにしたエネルギーでダイナの力は復活.ゼルガノイドと相打ちに持ち込むことに成功する. そして,倒れたアスカを火星にすむダイゴが救助.気を失っている間に少年時代を回想するアスカ.
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シン(子供時代)「最初の人間?」
カズマ「ああ,彼らは高くそびえる山を見あげこう思ったに違いない.あの山の向こうに何があるのか?見知らぬ世界を目指し,彼等はその深い谷を登りきった.おそらく何度も何度も失敗したくさんの仲間を失いながら.」
シン(子供時代)「なんでかなあ?そのまま谷に住んでいた方が楽なのに.」
カズマ「それが人間なんだ.だから今,俺やシンがここにいる.」
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 挫けず,諦めず,逃げず,前を見つめ努力を続ける.それは非常に苦しいことですが,そうあろうとすることが人間の本質であるとカズマはシンに伝えます.正直,私はそんなに頑張れないときもありますが,それでも本来は人間にそういう意思が備わっている筈だということでしょうか?それを信じろと.
 確かに種としてみれば,人類にはそういう傾向があるような気がします.もし,地球にとって人類がガン細胞以上の意味があるとしたら,それは人類の前進しようとする意思の奥底の方に鍵があるのかもしれませんね.

 そして,アスカを迎えにいく機内でのサエキ隊長とリョウの会話.サエキ隊長はウルトラマンティガ「The Final Odyssey」でシビトゾイガーに殺されたルルイエ調査隊のサエキ隊長の肉親だったことに気づかされます.(非公式年表によると妹)

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リョウ「どうしてゴンドウ参謀の計画に手を貸したの?」
サエキ「昔大切な人を怪獣に殺されてな.本当に人がウルトラマンの力を自由に使えるのならそれもいいと思った.」
リョウ「そう.」
カズマ「奴にあったら言っといてくれ.今度は頼むぞってな.」
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 続いて,ダイゴとアスカのシーン.新旧ヒーローの会話は単なるお祭りイベントではなく,含蓄の深いものでした.ダイゴの選んだ「守るべき未来」も素敵だと思いました.目立たず平凡かもしれないけれど,地道に未来に向けて種を蒔き愛情を傾けて育む(比喩的な意味でも).最前線で派手に戦わなくても,人生をかけるに値する偉大な事なんですね.その場所として,あえて不毛の地,火星を選ぶところがダイゴらしいというか,感動的でした.ティガの物語が辿り着いた真のエンディングとしても納得.
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アスカ「ダイゴさんは何故,前線を離れたんですか?」
ダイゴ「守るべき未来は,人それぞれにきっとあるはずだから.」
(ガッツシャドウが飛来)
ダイゴ「君の仲間が迎えにきた.さっき連絡が取れたんだ.」
アスカ「あのう.俺まだ色々訊きたい事が...」
ダイゴ「僕も,君と同じだった.何故戦うのか,自分は何者なのか,誰かにその答えを教えて欲しかった.」
アスカ「ダイゴさん...」
ダイゴ「でも最後は,自分で出さければならない答えもある.人としてできること,それは自分自身で決めるしかないんだ.」
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 そして,アスカにしてみれば先輩から「人としてできること,それは自分自身で決めるしかない」というメッセージを貰えただけでなく,自分が戦う前線のすぐ後ろで人類が何をしようとしているのか,「守るべき未来」への萌芽を垣間見れた事も大きかったように思えます.最後の決戦に防人のひとりとして向かう彼には,ネオフロンティアというものが熱に浮かされた闇雲な前進ではなく,地に足の着いた愛おしい人の営みであることを見ておく必要があったように思われるのです.

 さらに,ガニメデ基地ではあのキサラギ博士が登場.

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キサラギ博士「一度は人類を破滅に追いやろうとした兵器です.ヒビキ隊長が言った通り,人間には危険すぎる力なのかもしれません.ただ,力よりも強い心があれば,きっとこの宇宙も守ることができる.ウルトラマンダイナがそうであるように.」
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 そして,ガニメデ基地でのネオマキシマ砲を巡る行き詰まる攻防戦.
 怪獣に人質に取られたリョウを救い出すために決死の突撃をかけるダイナが印象的.

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アスカ/ダイナ「うおおおおっ」
リョウ「やめてアスカ.死ぬ気なの!」
アスカ/ダイナ「この卑怯者をぶちのめすまで死にはしねえ.それに俺は...俺は今,君だけを守りたい.」
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ヒビキ「不完全でいいじゃないか.矛盾だらけでも構わねえ.人の数だけ夢がある.俺はそんな世界の方が好きだ.」
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 アスカがダイナであることが判明し,ネオマキシマ砲とダイナの光線を連携させた最後の反攻作戦が始まる.その作戦準備のためのつかの間の時間が静かに過ぎていく.これまでアスカには,ウルトラマンであること以上に孤独癖の強い寂しがり屋の面があり,それが彼特有の突張りや無茶とも結びついているような所がありました.しかし,最後に心の底からS-GUTSの仲間に受け止めてもらえた事で,深い絆を感じ取り成長して深みを増したように思えました.続くシーンもS-GUTSの静かな魅力が描かれていて切なくも素敵でした.ナカジマ隊員のシーンもよかったです。

そして最後の出撃.

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アスカ「俺は帰ってきます.次に空を飛ぶために,次もまた空を飛ぶために,俺は必ず帰ってきます.」
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 これは,かつて光の中に消えて父カズマが残した台詞と同じ.
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アスカ「親父が教えてくれたんだ.人間は,前に進む力を持っている....だから今,俺達はここにいる.」
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 ネオマキシマ砲に続いて放たれるソルジェント光線.
少年時代,遠くの木に届けと力の限りボールを投げた記憶が交錯する.短いけれど見事な演出でした.
グランスフィアはワームホールを形成しつつ崩壊.
 グランスフィアとともに時空の彼方に消えるダイナ/アスカ.

 アスカ去りし後,彼の想いを継いで再び前進することを誓うS-GUTS.アスカが父に示され,自らつかみ取った前進しようとする意思.そのアスカの姿を見せることで周囲にもその意思が受け継がれていくラストでした.

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ヒビキ隊長「夢を信じられる限り,光はそこにある.」
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ありがとう、ウルトラマンダイナ.
付記:「淋しいアスカ」という描像については,もともとは私自身のオリジナルの考えというわけではなく,「でっちの映画日記」というサイトで考察されていたものも参考にさせていただきました.残念ながらそのサイトは既に消滅してありませんが,鋭くも愛情に満ちた考察がなされていました.ここに付記しておきます。
重箱の隅については気分を変えるために、また何れ機会を改めて書きたいと思います。

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