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ウルトラマンダイナ

◆ 第12話「怪盗ヒマラ」

脚本/太田 愛、特技監督/原田昌樹、監督/原田昌樹.
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満足度: ★★★+

鑑賞メモ

 宇宙をまたにかける怪盗ヒマラが登場.ダイナを代表する傑作キャラクターの一人だと思います.ヒマラはちょっと慌て者でユーモラスな憎めない奴として描かれていましたが,そんな彼が予告状まで出して盗もうとしたものは、宝石でもなければ,美術品でも、最新技術でもありませんでした.それは夕暮れの街並.それも,彼がこだわったのは、自然現象としてのオレンジ色の太陽や桃色の雲ではなく、昼間の輝きを失い夜の闇に包まれようとする最後のひとときにオレンジ色に染められた街の方でした.空でも、海でも、山でもなく,街なのです.

 人間そのものは「見苦しい」といって一蹴するヒマラですが、切なく、どこか懐かしく、そして,どこか恐ろしくさえある黄昏が支配する人間の街に見せられてしまったのです.なんという皮肉、なんという屈折した美意識でしょう.でも,なんだか判るような気もします.夕暮れ時は、黄昏(誰ぞ彼)あるいは大禍時(逢魔が時=夕方の薄暗い時間)の始まりでもあり、家族の元へと帰る時間が近づいたことを知るひとときでもあります.そして,人間もまた、昼でもない夜でもないこの時間帯の街には,不安や訳もなく胸騒ぎを感じ,また同時に人恋しさを感じることがあるのですから...大怪盗ヒマラの魂の琴線に触れるものがあったとしても無理からぬものだと思います.

 インタビュー本「地球はウルトラマンの星」での太田愛さんへのインタビューによると,脚本段階でのヒマラはバリバリに強く、雰囲気は怪人二十面相的な大怪盗であったということです.同本によれば,後半のダイナとの決戦場「ヒマラワールド」は,美術スタッフがノリにノって作り上げたものだとのこと.OAを見た太田愛さんの家では大変盛り上がったとも書いてありました.私も個性のある変なものばかり集めてしまうユーモラスなヒマラの感性が好きです.ヒマラのちょっとそそっかしくてユーモラスな側面は,主に原田組の味付けによるものかもしれません.この味付けによってヒマラは,微笑ましくも愛すべき魅力あるキャラクターになると同時に、話自体も独特の雰囲気をもったほのぼの系のファンタジーになることができたのだと思います.まあ,考えてみれば、怪人二十面相も実はかなりのおマヌケさんですしね.

 また,ケレン味溢れる怪盗ヒマラのテーマも良かったと思います.

 さて、ナカジマとカリヤの役回りがここに来て固まりつつあるような気がします.文系,理系の違いはあれど両者とも学者肌のキャラですが、ナカジマは,どちらかと言えば社交的で、決して常識的なものの見方を忘れない反面、非常識な事態に遭遇するとアタフタと振り回されてしまうユーモラスな側面をもっているようです.一方、カリヤは普段は口数が少なく性格が分かりにくいが、常に常識にとらわれずに冷静沈着にものごとを観察しているようで、不審な点を見逃しませんし,ピンチになっても慌てません.今回も囚われの街の中にあって,風があるのに雲が動かない異常さにいち早く気付いていました.前回,前々回もそんな事がありました.いっそのこと,今回の話などは,カリヤを探偵役にして怪盗ヒマラと丁々発止の息詰まる対決,という感じにしても良かったんじゃないか?とも思います.

あらすじ

主人公:ヒマラ、アスカ、カリヤ,いや,本当の主人公は夕暮れの街そのものかも...

 美しいと思ったものは全て手に入れる怪盗ヒマラ.宇宙から地球に来た彼は,秋の夕暮れの街の美しさにどうしようなく見せられてしまう.早速、彼はS-GUTSに予告状を送りつけた上で、アスカとカリヤの目の前で3つの街を盗んでしまう.忽然と消えた街を捜索するS-GUTS.やがて、捜索を続けるアスカとカリヤの前に、高笑いとともに怪盗ヒマラが出現.滔々と自分のポリシーを語った挙げ句、アスカとカリヤも盗んだ街に転送してしまう.転送された街はヒマラ愛用の小箱の中に納められていた.いつまでも夕暮れ時のままで.盗まれた街の中で彷徨うアスカとカリヤ.やがて、カリヤが風があるのに雲が動かないことに気がつき,アスカは空が偽物ではないかと疑う.ゼレットのビームで空に穴を開けS-GUTSに小箱の位置を知らせることに成功する二人.コウダ、ナカジマが小箱を奪還.ダイナは不思議な空間「ヒマラワールド」でヒマラと対決.ノックアウトされたヒマラはあわてて宇宙へと逃げていった.後に、小箱と、床屋の看板,扇風機、タイプライターなどの粗大ゴミを残して...

今回の印象に残った台詞

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ナレーション「それはある秋の日の夕暮れ.昨日と変わらぬ穏やかな夕暮れのように思われた.しかし,そのころ,誰にも知られす地球に降り立った宇宙人ヒマラは既にある計画に取りかかっていた.」
ヒマラのテーマスタート.
ヒマラ夕焼けの中に佇みながら、 ヒマラ「美しい...」
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アスカ「待て、ヒマラ!」
ヒマラ「君だね?この星を守っているのは.アスカ君、私は何もこの星を侵略しに来たわけではないのだよ.そういう野蛮なことは私の主義ではないのでね.ただ,私は見つけてしまったのだよ.この星で実に美しいものをね.」
アスカ「美しいもの?」
ヒマラ「そう.この地球には他の星々では決して見られない美しいものがある.何だか分かるかね?それはね,夕焼けの街だよ.私は一目で心を奪われた.夕焼けの街の美しさに.アスカ君、私は気に入ったものは手に入れることに決めている.つまり,私が美しいと感じたものは、もはや全て私のものなんだ.」
アスカ「勝手なことを言うな!街はお前のものではない.そこに暮らしている大勢の人々のものだ!」
ヒマラ「人々?ああ,あれな余計だったな.見苦しいので何れ何処かにひとまとめにして捨ててしまうつもりだよ.」
アスカ「ふざけるな!街を何処へやった!」
ヒマラ「おや?それも分からないのかね?そんなことで君にこの地球が守れるのかな?はっ,ご希望とあらば案内するよ.」
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街のおばさん「なんだか,世界がみんな消えてしまって、この街だけがぽっかり残ってしまったような.そんな気がしますよ.」
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アスカ「待て、ヒマラ!」
ヒマラ「君だね?この星を守っているのは.アスカ君、私は何もこの星を侵略しに来たわけではないのだよ.そういう野蛮なことは私の主義ではないのでね.ただ,私は見つけてしまったのだよ.この星で実に美しいものをね.」
アスカ「美しいもの?」
ヒマラ「そう.この地球には他の星々では決して見られない美しいものがある.何だか分かるかね?それはね,夕焼けの街だよ.私は一目で心を奪われた.夕焼けの街の美しさに.アスカ君、私は気に入ったものは手に入れることに決めている.つまり,私が美しいと感じたものは、もはや全て私のものなんだ.」
アスカ「勝手なことを言うな!街はお前のものではない.そこに暮らしている大勢の人々のものだ!」
ヒマラ「人々?ああ,あれな余計だったな.見苦しいので何れ何処かにひとまとめにして捨ててしまうつもりだよ.」
アスカ「ふざけるな!街を何処へやった!」
ヒマラ「おや?それも分からないのかね?そんなことで君にこの地球が守れるのかな?はっ,ご希望とあらば案内するよ.」
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ナレーション「もしも,貴方の街の夕焼けがいつまでも終わらなかったら、ヒマラの小箱の中に閉じ込められているのかもしれません.」
ヒマラのテーマスタート.
ヒマラ夕焼けの中に佇みながら、 ヒマラ「美しい...」
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重箱の隅

 ヒマラの町並み捕獲用の赤いセロハン.4、5枚投げていたように見えるのだが、盗まれた街は3つ.不発が多いのかな?

 某ビルの屋上にあるヒマラのアジトの前は、ルール違反の粗大ゴミ置き場.最初のシーンでは床屋の看板(三色ねじり棒)が捨ててある.ちなみにヒマラの宇宙船の内部にも床屋の看板がある.よくよく見るとそれぞれ別の看板ということらしいが、なぜそんなにいっぱい三色ねじり棒が???それにしても,この粗大ゴミ置き場,アンティークなタイプライターだのダイヤル式の電話だのと珍しいものも捨ててある.ヒマラワールドのコレクションの狸の置物とか招き猫とか鶏の置物は,盗んだんじゃなくてここで拾ったのではないのかな?

 ヒマラワールドの置物は音を出す.招き猫はニャーと鳴き,鶏の置物はコケコッコーと唄う、そして二宮金次郎の像は本に目を落としながら「一日一章!」とのたまう.モアイは....とりあえず笑っている.なぜ?

 ヒマラとコウダ、ナカジマの立ち回りの際、ヒマラが誤って消してしまった粗大ゴミ.エンディングでアスカ達の前に返却されてくるのだが、事情を知らないアスカ&カリヤを首を傾げるばかり.なんだか面白い.

 ヒマラを叩きあと,夕焼けを背景にすっくと立つダイナのあおりのはいった映像が大変カッコいい.ティガの「うたかたの...」同様、紫と朱に染まった空にウルトラマンはとても良く似合う.



これでとばしていた3巻を終了.次はいよいよ,あの「少年宇宙人」も収録されている5巻です!季節も丁度冬だし楽しみ.
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