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◆ 第27話「怪獣ゲーム」

脚本/吉田 伸,特技監督/佐川和夫,監督/児玉高志.
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満足度: ★★

鑑賞メモ

 忙しすぎて友達を自分で作る暇がないので,キッズコミュニティなる業者に紹介してもらう子供たちが劇中に登場.まあ,大人にだって結婚相手を紹介する業者があるんだから,そういう業者が一定の機能を果たすようになってもおかしくはないのかも.(追記:shoryuさんのページによれば実際にそういう団体があるとのこと)きっかけは何であれ友達を作ろうと思う気持ちがあるだけましというもの.

 携帯ゲームをしながら視線をかわさずに会話する子供たちには一定のリアリティがあります.こちらの方が問題と言えば問題.だけど,家庭内でそういうことする大人もいないわけじゃない.これってよくあること.まあ,ついやっちゃうけど本来はよくないコミュニケーションのやり方で,時々はちゃんと正面から向き合わなければいけないんだ,と自覚していることが大事なんでしょうね.

 それなりのリアリティはあるけど,「少年宇宙人」ほど子供がドラマに絡んできませんでした.単に設定の一部として機能しているだけです.子供のコッミュケーションを題材にしつつも,徹底して子供を外側から眺めるのみで内面を描かないのは興味深いです.現代のディスコミュニケーションを象徴するための意図的な演出なのか,作り手あるいは大人の方も子供社会を理解するコミュニケーション能力を失いつつある現れなのか...

 さらに言うと,宇宙人に利用されたのは友達紹介所の子供たちではなくオンラインゲームに参加している子供たちの方.我々の世界ではオンラインゲームにはまるのは何も子供たちだけではありません.いずれも無機質な子供社会を描いているように見えて,よく考えると大人にもそういう傾向から自由でないというのも個人的には興味深かったです.(劇中ではそこまで突っ込んで描いていませんでしたが)

 そういう乾いた子供社会を否定も肯定もせずに最後まで進むのかと思ったら,最後はアスカが子供たちにすぐに友達を作れる遊びとして野球を教えてました.楽しそうでホッとする場面でした.だけど,これ,大人がきっかけをつくってさえやれば外で友達と遊ぶようになるはずだという主張なのでしょうか?う~ん.本作ではストーリーが大人が周りで勝手に右往左往しているだけで子供の内面を描かずにいたので,何かとってつけたラストのような気がしないでもないです.ちょっと残念.子供が見たら色んな意味で大人は判ってないと思うんじゃないかな?


 今回は宇宙人の野望を砕いたのはナカジマ.さすかS-GUTSの理系名探偵.でも,あまり目立たなかったのが悲しい.

あらすじ

主人公:アスカ

 地球侵略を謀る2人組のチェーン星人.ひとりは力押しのライト.もう一人は深慮遠謀好きのレフト.アスカ暗殺を狙ったライトはあえなく失敗.レフトは怪獣対戦オンラインゲームを利用してゲーマーに最強怪獣を作り出させた.そのトーナメントの優勝怪獣を実際に作り,優勝者をオペーレーターとして操ってダイナに挑戦するが,そのからくりに気付いたナカジマによってオペーレーターを奪還され,暴走した怪獣の餌食になってしまう.オペーレーターを失い弱体化した怪獣デマゴーグはダイナによって倒された.

今回の印象に残った台詞

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コウダ「マイ,そんな神経質になるなって.」
マイ「でも,自分が狙われていると思うと...それに...」
リョウ「それに,どうしたの?」
マイ「私なんて可愛いから,真っ先に狙われちゃうかもしれなあい!どうしよー.」
マイ「ちょっと,アスカ聞いてんの?」
アスカ「うん.大丈夫.多分,マイが狙われることはない!」
マイ「ひどーいっ」

重箱の隅

遺伝的アルゴリズム?分散コンピューティング?

 数学的に最適な答えを見つけるのが難しい場合に使われる方法に「遺伝的アルゴリズム」というのがあるそうです.これは次のようなステップをコンピュータの中で行うものです.

  1. とりあえずデタラメに暫定的な答えをいっぱい作る.
  2. 条件をどれだけ満足しているか評価する.
  3. 評価の高い答えを優先的に親データとして選ぶ.(選択)
  4. 親データから似た「子供」を作成する.(交叉)
  5. ときどき「子供」に突然変異を混ぜる.(突然変異)
  6. 「子供」を新たな「親」として選択-交叉-突然変異による世代交代を満足 いく答えが得られるまで繰り返す.
 劇中のオンラインゲーム「怪獣コロシアム」は「条件」と「選択」の部分だけをしっかりと作り込み,残りのステップを大勢の参加者にやらせるというシステムに見えなくもありません.対戦=選択,対戦後の怪獣の改良=交叉,ユーザーによる思いつき=突然変異が繰り返されるわけです..
 一方,数多くのトライが必要な計算には「分散コンピューティング」という方法が使われることがあるそうです.これは,問題を複数の部分問題に分けて複数のコンピュータに実行させる方法で,一般に参加者を募っている分散コンピューティングプロジェクトでは次のようなステップを踏みます.
  1. データの分配、収集を行う基幹サーバの用意
  2. 一般参加者が計算を行うためのクライアントソフトの配布.
  3. 結果集計と一般参加者への成果公開
この手の分散コンピューティングには地球外生命体を探索:SETI@homeメルセンヌ素数の探索がん治療役のヒント探索などが知られています.
 「怪獣コロシアム」も大勢のユーザーが個別に怪獣の改良などは行ってはサーバーにアクセスしているわけですから,一種の分散コンピューティングといえるでしょう,  大規模オンラインゲームを利用してユーザーに遺伝的アルゴリズム+分散コンピューティングによる開発をさせるとはなんて賢いんでしょう.秀逸なアイデアです.

明智さん.

明智「素晴らしい.後は怪獣を実体化させるだけだ!」

 いや,それが一番大変そうに思えるのだが....?

デマ?

チェーン星人「止めたまえ.私を倒せば怪獣はもっと凶暴になるぞ.」

 アスカはチェーン星人のこの言葉を信じて銃撃を躊躇います.しかし,クライマックスではコントロールを失った怪獣はダイナの敵ではありませんでした.凶暴になったからといって強いとは限らないということです.そうでなければ,そもそも怪しい機械で子供をオペレーターとして操るはずはありません.チェーン星人,とっさにもっともらしいことを言って自分を守るとはやりますね.しかも,あながち嘘とも言い切れない.凶暴になるのは事実だし.

戦国武将?

 2人組のチェーン星人.陰謀を巡らせる方の人間体の名前は「明智」.直球の真っ向勝負の方の人間体の名前は劇中では出てきていませんが,演じられた役者さんのページによると「織田」.明智光秀と織田信長からとったのかな?同じ役者さんの一人二役ですが,うまく演じ分けておられました.お見事.

ヒーロー激突

 明智/織田役は俳優の渡洋史さんです.そう,知る人ぞ知る,「宇宙刑事シャリバン」,「時空戦士スピルバン」の主役ヒーローであり,最近ではゼブラーマンのスーツアクターをされていた方です.ということはアスカと織田の立ち回りは,さり気なく「ウルトラマンVS宇宙刑事」だったわけです.廃車置き場での渡洋史さんの跳躍シーンでは,往年のヒーローの片鱗を見ることができます.(アスカを吹き替えたスタントマンさんも体当たりでしたね...)

どぅ,しぃ,ぼぅ

 雑誌ライターに化けて取材に出かけたリョウとアスカ.乗っていたのが,フランス車,シトロエン2CV(ドゥー・シー・ボー).このクルマは後の「ツクヨの兵士」にも登場します.どうやらリョウの愛車のようです.1936年に設計されたクルマですが,おしゃれな外観とともに乗りご心地がよく,エンジン非力な割にはよく走るのでいまでもファンが多いそうです.リョウ,なかなかよい趣味をしていますね.

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