上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ウルトラマンダイナ

◆ 第29話「運命の光の中で」

脚本/吉田 伸,特技監督/北浦嗣巳,監督/北浦嗣巳.
------------------------------------------------------

満足度: ★★★★+

鑑賞メモ

 熱く、切なくアスカ・シンらしい物語でした.

 父の遺した白銀の機体を駆り、人類初の光速突破をがむしゃらに目指すシン.周囲を固めるゼロドライブ計画関係者も男臭く、気合いが入っていました.また,回想シーンのシンとカズマの会話も印象的.それらのシーンの積み重ねがドラマのテンションを引き上げ、クライマックスの光に包まれた光速度突破シーンは感動的ですらありました.この光速度突破は人類初のBreak Throughというだけでなく,幼くして父親を宇宙で失って以来、父の影を追い求めてパイロットとなり一流の腕を持つに至ったアスカが、ついに父親を超えてその先へと突破していくという意味の重ねられており、見事でした.

 台詞回しも印象的なものが多く、音楽もダイナの燃える音楽が効果的に使われており、アスカのようなキャラを主人公とするダイナならではの盛り上がりに花を添えてくれています.

あらすじ

主人公:アスカ

 月面基地ガロアにテストパイロットして急遽招聘されたアスカ・シン.そこでアスカを待っていたのは、プラズマ百式だった.それは,シンが子供の頃、父親カズマをのせたまま消息をたった実験機.そのプラズマ百式が偶然回収された為に再開された光速突破プロジェクトであるゼロドライブ計画のためにシンが呼ばれたのだ.父親の遺した機体を乗りこなすのに苦労するシン.体力の限界の中で、少年時代の父との思い出、かつて父とともに光速に挑んだスタッフの複雑な思いなどが交錯する.その中で改めて宇宙を飛ぶ意味を見つめ直すシン.そして,シンはついにプラズマ百式を乗りこなすのに成功する.

 しかし,そのとき巨大な彗星が太陽系に接近しつつあった.地球への被害を防ぐためには彗星を太陽系外で爆破するしかない.間に合うのはガロア基地のプラズマ百式のみ.シンは、プラズマ百式に彗星迎撃用高性能ミサイルを搭載し、単身ぶっつけ本番でゼロドライブに挑む.臨界速度に達し、ゼロドライブに突入するプラズマ百式!それは、人類が初めて光速度に達した瞬間でもあった.

今回の印象に残った台詞

---------------------------------
アスカ「何ですか?これ.」
ミシナ「これはプラズマ百式.君のお父さん,アスカ・カズマが乗ったまま行方不明になったテスト機だ.半年前,冥王星付近で発見された.」
アスカ「それじゃ,親父も...?」
ミシナ「残念ながら,カズマの姿はなかった.シン,君はゼロドライブ計画という名前を聞いたことがあるか?」
アスカ「ええ,以前,自分なりに親父の行方を調べてみたことがあるんです.でも,判ったのは名前だけで,内容はすべて極秘扱いでした.」
ダイモン「では,教えてやろう.ゼロドライブとは現在S-GUTSで使われているネオマキシマオーバードライブを遥かに超える宇宙航法だ.秒速30万キロで宇宙を進む.」
アスカ「秒速30万キロって光の速度じゃ...」
ダイモン「そうだ.ゼロドライブは人類が光に挑む前人未到の計画だったが,カズマとプラズマ百式を失い凍結された.」
アスカ「親父はそんな壮大な計画に...親父の成し遂げられなかったことを俺がやる.」
ミシナ「そうだ,君とこのプラズマ百式でゼロドライブ計画は復活する.」
---------------------------------
ミシナ「なんだ,あの光は?」
ダイモン「何のことだ?こっちのレーダーには何にも見えねえぞ.」
ミシナ「カズマ,実験を中止しろ.」
カズマ「もう遅い.臨界速度に達した.それにあの光は俺を呼んでいるようだ.」
---------------------------------
シン「約束したのに...明日の試合は僕が投げるんだよ.」
カズマ「シン,お前が明日の試合に行かなければ皆が困るように,父さんが行くのを皆が待っている.判るな?」
シン「うん.そのかわり,帰ってきたら野球で勝負して.」
カズマ「勝負?」
シン「父さんが負けたら一日僕の言うことをきくんだ.仕事もみんな休んで.」
カズマ「ああ,漢の約束だ.父さんはすくに帰ってくる.」
シン「うん!」
---------------------------------
整備士「ここでは実力しか通用しない.悔しと思うんだったら,早くこいつを乗りこなすんだな.」
シン「ああ,やってやるぜ.親父になんか負けてたまるか!」
---------------------------------
ダイモン「今のお前にはこいつは乗りこなせん.何故か判るか?体力の限界では精神力がものを言う.なのにお前は,親父に勝つだの負けるだの,んなちっぽけなことにこだわっている.親父はなあ!カズマは,もっと大きなものの為に飛んでいた.俺たちの夢も託せるでっかいもののために!空を飛ぶ意味をもう一度考えろ.」
---------------------------------
ダイモン「シン,お前は何のために飛んでいる...?」
シン「俺は,俺は,前に進むためだああああっ.」
オペレーター「プラズマ百式,持ち直しました.」
---------------------------------
ダイモン「シン,そうか,君がシンくんか?」
シン「はい.」
ダイモン「君のお父さんが...」
シン「帰ってきたの!?」
ダイモン「事故にあったんだ.」
---------------------------------
シン「プラズマ百式で発進準備をしてください.」
ダイモン「駄目だ.ゼロドライブは必ず成功するとは限らん.」
シン「じゃあ,貸してください.俺が勝手に行く!」
ダイモン「馬鹿を言うな!」
シン「いやだなあ.班長が言ったんじゃないですか.もっと大きなもののために飛べって!今がそのときです.」
ダイモン「シン!」
シン「俺は必ず帰ってきます.班長を殴り返すためにもね」
---------------------------------
シン「ダイモンには怒鳴られるかもしれないけど,おれ,やっぱり親父と勝負がしたい.きっとこれが親父と勝負できる最初で最後のチャンスだと思うんです.心配しないでください.おれ必ず帰ってきます.」
---------------------------------
オペレータ1「交信アウトします.」
オペレータ2「プラズマ百式ゼロドライブ突入!」
---------------------------------
シン「父さん...父さんは宇宙を飛んでて怖くないの?」
カズマ「怖いさ,とても怖い.でもな,父さんは必ず帰ってくる.」
シン「うん.」
カズマ「次に空を飛ぶために,その次に空を飛ぶために.」
---------------------------------
シン「親父...おれ,生きてるぜ.」
---------------------------------
西暦2018年、アスカ隊員の活躍により、ゼロドライブ航法は飛躍的に進んだと言われている。
---------------------------------

重箱の隅

燃える展開の話でしたが、今回は脳内補完するのがとっても大変でした.(ていうか,脳内補完しきれてないし.)

反応

アスカ「月面基地に出向!それっ,それってクビですかあ?」

 この台詞のシーン.他のメンバーがアスカを心配する表情がそれそれで面白いです.コウダ隊員は眉をハの字にしていたりしますし,リョウは終止憂いに満ちた表情だし,マイは最後に「クビ」という言葉に反応して表情が曇ってました.ナカジマとカリヤはびっくりしたままでしたが....やっぱり,アスカ,愛されてますよね.

いくら何でも

整備士「どうした?」
アスカ「この機体,安全装置の類いが全くついていないですよ?」
整備士「余計な装置をつけるなら全てゼロドライブ注いでくれってのがカズマの主張だった.」

 コクピットを見ると,安全装置どころかシートにクッションはなく鉄骨がむき出しです.ちょっと高速に近い領域で下手に加減速したら骨折しますよ.乗り心地とかそういう問題じゃないと思うんですが...それに,メータの類いはほとんどアナログの針メータ.むむ...まさかゼロドライブ領域ではデジタル表示の信頼性がない?やっぱり一昔前の戦闘機みたいに電源が根こそぎ落ちることを想定しているでしょうか?怖い機体だ.

 なんか過度に昔気質の機体ですが,自分の腕をとことんまで信じて危険なテストに挑むカズマの人となりが判って密かに燃えるシーンです.機体に関しては、できればもう少し細かい設定を作ってくれるともっとよかったんですが....どうしてパイロットに過度な負担がかかるのか今ひとつ判りにくいですよね.まあ,贅沢な要求というもの.

ファイナルメガランチャー

ダイモン「ファイナルメガランチャーはな,地球へ飛来する巨大隕石爆破を想定して造られた高性能ミサイルだ.惑星の近くでは使うわけにいかん代物だ.扱いにはくれぐれも注意しろ.」

 ここでファイナルメガランチャーがTVシリーズ初登場です.今回のターゲットは直径200kmの彗星.200kmといえば東京-大阪間の半分(直線距離)に相当します.(静岡と愛知の県境付近)これを2発のファイナルメガランチャーで粉砕してしまいます.凄い威力.その割にはミサイルの大きさは小さい.原爆か水爆の可能性も捨てきれませんが、ひょっとすると反物質爆弾?マキシマで反物質を燃料にしていますから、爆薬に使う可能性もありますよね.でも,34話「決断の時」に名前だけ登場した時はえらく威力が少なめ. 小威力のものも開発されてたようです.

Faster than Light

 アインシュタインの相対性理論により,単純に加速を重ねただけでは通常の物質は光速度を突破することができないことが示されて以来,さまざまなアイデアが考案されてきました.いま我々の世界で理論的に多少なりとも見込みがあるとされているのは,ワームホールを使う方法やワープフィールドを展開する方法.しかし,どちらも時空を人為的に自在に歪曲する技術を前提としています.もちろん,我々にはそのような技術はおろか,その方法論すらない状態です.FTL(Faster than Light=光速度より速い)航法の前に,人類は少なくとも重力を自由に操れるようにならないといけません.これすら今の科学技術では無理.また,方法論が見つかったとしても、時空を歪曲するのに必要と思われる膨大なエネルギーをどこから調達するのかも問題となると言われています.いまのところちょっと絶望的ですね.ダイナ世界の技術には逆立ちしても追いつきそうにありません.

天文単位の壁

 太陽系に飛来する直径200kmの彗星.地球に被害を及ぼさない爆破限界距離が40天文単位だという.太陽-冥王星の距離がおよそ39.5天文単位.だから,太陽系の外と言うわけです.

 ここでちょっと計算.1 AU(天文単位のことをAUと書く)=149597870660 mこれは地球軌道の長半径.
 爆破限界距離40 AUを,東京ドーム球場のホームベースからセンター方向スタンドまでの距離122mに例えると,200kmの彗星は0.0041 mm(4.1ミクロン!),直径は12742kmの地球の大きさは0.260mmになる.10000回投げても当たりそうにない.とんでもなく精密な衝突コースをとっていたことが判ります.また,爆破された彗星の破片が飛び散っても,40 AUを走破して地球に近づくまでにはさほど広がらないと見積もられています.(でないと,破片が地球にぶつかる心配をする必要がない.)何しろ40 AUが爆破限界距離ギリギリなのですから,飛び広がる速度が判らないからなんとも言えませんが、40 AU以下の距離では破片が広い範囲に飛び散る前に地球に近づくということですから相当速い速度だったと言えます.

 まあ,天文単位の定義などが我々の世界と同じたとしてもうちょっと計算.
 40 AUを走破するのに光速で5.5時間.ゼロドライブでかかる時間です.ところで,劇中では地球からS-GUTSがイーグルでアスカを迎えにいってました.データ本「ウルトラマン画報(下)」ではガッツイーグルの宇宙での速度はマッハ50とあります.この速度だと40 AUを走破するのに11年以上かかります.これはあり得ないですね.発見されたアスカの機体は彗星の破片と相対速度がほぼ0でした.慣性がついた彗星の破片がかなり高速でまだ地球に近づいていたのでしょうか?その場合、今度はガッツイーグルの加速力を上回る相対速度のアスカの機体とどうやってランデブーするのかという問題に出くわします.さらに,ガッツイーグルの加速力を上回る彗星の破片をどうやってかわすのかというのも深刻な問題です.明らかに劇中の描写と比べて不自然です.やはり,イーグルの速度がマッハ50というのが間違っているのでしょう.いくら円谷監修でもデータ本の数値は当てになりません.だから私は思うのです.ウルトラに関しては決して本のデータをそのまま信じてはいけないと...

流れる星空

 ダイナやコスモスでは宇宙船やウルトラマンが高速で宇宙を飛ぶシーンで,たまに星空とおぼしき光点が後方へ流れる描写を見かけることがあります.しかし,よく考えると、これが本当に星(恒星)であるはずはありません.星が後ろに流れてしまうということは,即、恒星間航行していることになります.(スターボウ現象で前方に星が集中してみえることは亜光速ではあり得えますけど,後ろに流れるんじゃどうしょうもない.)太陽系内を飛び回っているわけですから,あれは実は恒星ではなく、氷の粒や光を反射する塵の類いなんだと考えて納得するしかありません.しかし,それはそれで危険ですよね.高速で石つぶてが飛んでくるわけですから...う~ん,宇宙船きっと頑丈なんですよ.きっと(笑)

まさか,いい迷惑?

 彗星に乗ってはるばる太陽系にやって来た今回の怪獣.ミサイル攻撃を受けるまで地球の存在を知りもしなかった可能性もあります.球場のたとえでいえば,ホームベース近くの0.26mmの砂粒を外野から発見するようなもの.とすると,地球なんて無関係にのんびり宇宙を旅していたら、いきなり爆撃をうけて住処を破壊され、怒って反撃したら銀色の巨人にやられてしまったなどということではなかったかと少し心配.まあ,人類側にほとんど選択の余地はないんだけど,不幸な「事故」であった可能性はありますよね.


Secret

TrackBackURL
→http://urooboe.blog4.fc2.com/tb.php/61-3c168e2c
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。