上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ウルトラマンダイナ

◆ 第41話「ぼくたちの地球が見たい」

脚本/太田愛,特技監督/川崎郷太,監督/川崎郷太.

満足度:★★★★★-

鑑賞メモ

 太田愛さんの脚本に加え、川崎郷太監督のテンポがよく見応えのある演出でダイナの中でも傑作の部類に間違いなく入る作品でしょう.TPCのメンバーに加え、命の危機にさらされたガゼル号の乗員、乗客の各々が紡ぐドラマが素晴らしい.カリヤやガゼル号の乗員などの大人たちが、冷静かつ命がけで子供たちを助けようする姿はプロフェッショナルそのもの.にもかかわらず、状況は刻一刻と絶望的なものになっていき、万策尽き果てた時点でのガゼル号に取り残されたアサギの「聞こえますか?地球.」のくだりは屈指の名シーンだと思います.プロット段階で既にあったこのシーンを見て、川崎監督が「これで勝てる。この話は成立する」と思っただけのことはあります.

 本編部分の画面構成も見事でした.川崎郷太監督のセンスの良さにはいつも驚かされます.ただ、ダイナの格闘シーンやダイオリウスの幼虫がちゃちなのが玉に傷.いまならCGの助けが借りられたんでしょうけど、当時の技術と制作体制では致し方のないところでしょうか?

あらすじ

主人公:???

 木星軌道上のステーションで生れた第一世代の子供達6名が乗船し、まだ見ぬ地球を目指す輸送船ガゼル号.しかし、その航海の途上.宇宙怪獣ダイオリウスに襲撃され、船内に幼虫を産みつけられてしまった.そのうえ、進路変更不能にもされてしまっていた.ガゼル号を使って餌の豊富な地球に幼虫を送り込もうというのだ.幼虫は地球の環境化ではやがて猛毒のガスを出して変態を始めることが解る.そのまま地球に侵入すれば数百万単位の死者がでることになる.参謀会議は地球直前でガゼル号を撃墜すること決断.S-GUTSは残された時間で決死の救出活動を試みる.しかし、船内で暴れ回る幼虫のため、乗組員と一人の少女アサギを救出しきれないままタイムリミットが近づいてしまう.そして...

今回の印象に残った台詞

---------------------------------
ナカジマ「このままガゼル号が地球に到着すれば、おそらく数百万単位の死者がでるでしょう.」
ゴンドウ参謀「……総監.ガゼル号を撃墜するしかありません.大気圏に突入する前に、防御衛星ユニコーンで撃墜を!」
ミヤタ参謀「ゴンドウ参謀……」
ゴンドウ参謀「仮に幼虫に喰われなかったとしてもだな.変態が始まれば乗員に助かる見込みはないんだ!」
(ヒビキ隊長、小声でナカジマに「α、βの発進準備を.」うなずくナカジマ「ハイ」)
ミヤタ参謀「でも、彼らを見殺しには出来ない.」
ゴンドウ参謀「では、君は数百万単位の人間を見殺しにできるのか!」
フカミ総監、深いため息.
ヒビキ隊長「総監.β号を救急キャリアとして使います.ガゼル号のブリッジ付近に作業用のハッチがあります.そこから乗員を救助します.」
ゴンドウ参謀「何を言っとるんだ、君は.そんなことは不可能だ.」
ヒビキ隊長「やってみなくちゃわからん!!!!!!……と思いますが?」
フカミ総監「ヒビキ君.ユニコーンの防御ラインに到達した時点で我々はガゼル号を撃墜する.ガゼル号には私が伝える.」
---------------------------------
トキ「……行けるよね……地球へ」
船長「もちろんだ.きっと地球へ...」
---------------------------------
アスカ「ガゼル号、聞こえるか! もう一度ドッキングを!」
船長「(オフ)時間がない! 今すぐに船から離れろ!いいか!この船が吹っ飛んだらそっちも爆発に巻き込まれる.今直ぐ退避するんだ.」
ブリッジ窓からα-β号を見上げるアサギ.その口が『行って!』と繰り返す.(音は聞こえない)
---------------------------------
コンピュータ「ユニコーン迎撃砲、発射30秒前」
無念の思いを噛み締めるS-GUTSの面々.
ガゼル号のブリッジをモニタしている画面に手を伸ばすマイ.
アサギ、護身用の銃を構えたまま、「……聞こえますか、地球」
マイ「うん.聞こえるよ.」
アサギ「弟が地球に着いたら、花の種を植えるのに一番いい大地を教えてやって下さい.」
たまらなくなり、思わずうつむくマイ.
---------------------------------

重箱の隅

脚本

 太田愛さんのサイトには今回の脚本が公開されています.比べてみると面白いかも.

監督インタビュー

 こちらのサイトには川崎監督のインタビューがあり、今回の話についての発言があります.ただ、相変わらずの毒舌ですが...

 インタビュー読むと、なんだか周囲との摩擦の多そうな印象がありますが、出来上がった作品はいつも見応えがあるんだから、何とかして今後も川崎監督のウルトラマンを作るようにはできないものか...と一視聴者としては思います.誰か何とかして!

アスカ、どうして?

 アサギがガゼル号に取り残され、ユニコーン迎撃砲も破壊できなくなった状態で、アスカは無念の思いで地球に帰還します.そのコクピット内でリーフラッシャーを服の上からギュッと押さえる仕草が印象的でした.ですが、このシーンはちょっと疑問.その後、ダオリウスの再襲撃による混乱のため、幸運にもガゼル号は生還することになりますが、あの時点ではアサギは絶体絶命です.唯一の救出方法は正体がばれるのを覚悟でアスカがウルトラマンになるしかありません.ウルトラマンになれば、 幼虫を排除するなり、ガゼル号の進路を無理矢理変えるなりできたはずです.あの演出のままではアスカは正体がばれるのがいやでアサギを見捨てたことになりません?もちろんアスカはそんな奴じゃないはずで、脳内補完としては、あの場所は自動操縦ではα-β号の子供たちの安全が図れない不安定な軌道であったか何かでアスカがコクピットを離れられない理由があったと解釈していますが、もうちょっと解り易くならなかったんでしょうか?

---------------------------------
ヒビキ「さっさと帰投しろ.そこに子供達を乗せてるのを忘れたのか!」
---------------------------------
という台詞だけでは弱いですよね.お約束と言えばお約束なんですが、いつもならバレバレの状況で変身しても何故か誰も気付かないってパターンですよね.まあ、あそこでアスカが変身しちゃうとドラマはぶち壊しですし、一話の時間が限られているから仕方ないのかな...

ダイオリウスの仲間?地球の寄生蜂との比較.

 ダイオリウスはガゼル号に卵を産みつけていましたが.彼女にとってはガゼル号自体が他の大型宇宙昆虫みたいなものだったのかもしれません.調べてみると、地球にも他の昆虫に卵を産みつけ寄生させる蜂が何種類もいて、寄生蜂と呼ばれているそうです.ダイオリウスはガゼル号の発する電波を頼りに襲撃してきましたが、地球の寄生蜂も寄主の匂いや音などを手掛かりにして寄主を探しあてるそうです.寄生蜂は「殺傷寄生者」と「飼い殺し寄生者」に分けられ、ダイオリウスのような「飼い殺し寄生者」の方がより進化した蜂と考えられるようです.「飼い殺し寄生者」の場合、寄主の生体防御反応や変態のタイミングをコントロールするために、産卵時に毒液、細胞、ポリドナウイルスなどを注入するのだとか.ダイオリウスの場合、成虫が卵とともに注入するのではなく、幼虫を産みつけ、その幼虫自身が変態時に毒液を分泌するようになっているわけですね.何れにしてもダイナの世界にはダイオリウスに補食寄生されるような他の宇宙生物がうようよいるということになるのでしょうね.ダイナの世界は太陽系といえども実に危険です.
 地球の寄生蜂についてはこちらのサイトが詳しいようです.

マリネリス

---------------------------------
フカミ総監「ヒビキ君.マリネリス基地を呼び出してくれ.」
---------------------------------

 マリネリス・・・実際に火星にある地名だそうです.マリネリスはいくつもの谷が連なって大渓谷で、長さは4000km以上(火星表面のほぼ1/5周に匹敵)、深さ7km、幅は200km.地球のグランドキャニオンのほぼ10倍にあたるとか...写真や解説をJAXAで見ることができます



Secret

TrackBackURL
→http://urooboe.blog4.fc2.com/tb.php/83-95833d09
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。